使いのもの

 

天使なんてこの世にいやしない
――あなたはなぜ生まれたかしっているの?
父と母が交尾してだろ
――なぜこうびしたらあたらしい生命ができるの?
精子と卵子がくっついて
――それでなぜあたらしい生命はできるの?
そんなの知らないよ
――それは天使ではないの?
それは屁理屈だ!
――てんしのひていはへ理屈ではないの?
いないものはいないじゃないか!
――ならあなたは何処からやってきたの?
だから知らないってさっき言ったじゃないか!
――ならあなたは天使ではないの?
なぜ僕が天使なんだよ
――どこからなぜやってきたのかわからないから
そんなの誰にも分からないじゃないか
――だからだれもが天使なの
ずいぶんと汚い天使もいたものだ
――それはあなたがじぶんを汚いとおもっているからでしょう
他の人間だってそうじゃないか!
――でもほらあそこにかわいい天使がいますよ
赤ちゃんなら誰でも天使なのかよ
――そうだからあなたも天使なの


天から使いはやってこない
天から詩などふってこない
天から才能もおちてこない

天から星は落ちてくる
(それは氷や石のかけら)
天から閃き落ちてくる
(それはあなたの成果)
天から使いはやってくる
(人はなぜ生まれるのか知らない)


腹の中に子がいて自分とは無関係に動く。
そいつは手足を動かし腹の皮を伸ばす。
腹の子はいったいどこからやってくるのか?
腹の子の体は私の細胞からできている。
(ははのうちゅうのなかにいる
 うごくとははのはらにあたる
 わたしはどこからやってきたのか?
 ははのえいようをわたしはもらう)


腹の中の子は母を食う
腹から出ても子は母を食う

へそのおは腹にある
乳は血から生成される

胃の血
異の血

赤い子どもの
赤いのち

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